ところで、「パリの空の下」という映画と、同じ題名のシャンソンがある。

パリの空の下セーヌは流れる(DVD)

メロディを聞けば知らない人はいないだろうそのサビ部分に、次のような歌詞があった。

Sous le pont de Bercy,
ベルシー橋の下
Un philosophe assis,
物思う人が腰をかけ
Deux musiciens, quelques badauds
音楽をかき鳴らす二人に幾人かが足を止め
Puis des gens par milliers
その周りを群衆が行き来する

「パリの空の下、歌が流れ・・・」とリフレインの続くこの歌の中に橋が出てくるのはたった一箇所、それがベルシー橋なのだから、驚いてしまう。もちろん、日本語のシャンソンの歌詞には訳されていないが。

セーヌ川観光船のバトームーシュも通らない、とくに見るべきところもない、操車場と引き込み線の殺風景なもと港湾地域、いまだに工事続きで観光客の 関心を引いた例がない場所だが、歴史的にはパリの門として物流の集中した華やかな一時代があったのだ。この界隈に住むパリの庶民の日常の楽しそうな様子が しのばれるではないか。一時はすっかり廃れていたかつてのワイン倉庫だが、今ではショッピングモール:ベルシーヴィラージュとなって生まれ変わり、パリ河 畔は世界遺産として整備されつつある。いつかまた、この歌が人気を取り戻し、ベルシー橋のたもとで歌われるようになるのかも知れない。

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