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もし病院に入院するはめになったとして、病室の窓の外に水の流れと荘厳な大聖堂や河岸の様子が見えたら、退屈な入院生活もずいぶん違うだろう。さらに、建っている場所がパリのど真ん中 で、川がセーヌ川、大聖堂はノートルダムだとしたら?もちろん、時代は17世紀半ばのことだから設備は別だが、環境としては悪くない。優雅な入院療養生活になったことだろう。この病棟がドゥブル橋の前身だった。

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ノートルダム前広場にある建物の名はオテル・ディユーHôtel–Dieu。もともと「館」、「邸宅」を意味するhôtelは「公共の 建物」をも表し、Dieu とは神の意。かつて修道院が民衆のために開いた病院施設のことだ。オテル・ディユーはフランス各地の古い町に存在するが、最初の「h」が大文字なのが、このパリ市立病院のこと。パリ発祥の地シテ島(セーヌ川の中州)内にあり、今はノートルダム大聖堂前広場の北側に建っている。いかにも実務 的、と思わせるがっしりした景観は、ノートルダムの華やかな前面と好対照だ。この右(南)側に病棟が造られた。(その2に続く)

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