ところで、ドゥブル橋はPont au Double(ポン・オ・ドゥブル)と書く。37のパリの橋のうちで、これは表記上、例外パターンだ。つまり、これまでみてきたPont Marieマリー橋などは「○○」と「橋」の間に「~の」を表わす「de」がなく、一方、Pont d’Auterlitz オステルリッツ橋、 Pont de la Tournelleトゥルネル橋などは、橋を意味する「pont」と名前の間に「de」が入っている。

この違いは日本語には反映されない。外国語に興味のない方には退屈かもしれないが、ちょっと気になるので調べてみたら、「de」がつかない (Pont Marie)例は全部で18、冠詞なしの名前や地名にdeまたはd’(母音が続く場合)のつく例が9、冠詞つきの名前や地名に「de」(場合によって du, de la, de l’, desとなる)がつく例は8あった。それに対し、Pont au Double(ポン・オ・ドゥブル)のように「de」ではなく「a」がつく例は(auは定冠詞àに男性名詞leが続いたもの)数あるセーヌの橋の中でもたっ た二つだけだった。

sur_le_pont

どちらも「・・・の橋」という意味合いになるが、大雑把に言って、deは由来を示し、àは目的を示すというように、使い方が違う。冠詞の問題は難しい。 かなりのガクモンを要するので、ここではあっさりスルーさせていただき、二つの例外すなわち、Pont au DoubleとPont au Changeシャンジュ橋がほかとどう違うのかをちょっと考えてみたい。これはシャンジュ橋までの宿題ということで。 

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