遠 目には一見シンプルで一つ前のカルーゼル橋と似かよった外観だが、ロワイヤル橋の路面は石畳で、レトロな街灯が雰囲気を醸し出している。長さ110m、幅 16m 、5径の半円アーチをもつ石橋の建設年は1685年。セーヌ川にかかる橋37のうち、ポン・ヌフ(1578-1607)、マリー橋(1614−1630) に次ぐ古い橋なのだ。橋の上から下流を見渡すと、左にオルセー美術館が優雅な姿を見せ、対岸にチュルリー公園が広がっている。

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こ の場所には1550年から渡し舟が通っていた。現在は緑豊かな公園となっているチュイルリーには当時宮殿があり、対岸のバック通り(その名も「渡し船」通 り)をつないでいた。1632年、徴税官バルビエがそこに木の橋を架け、通過税を課すようになる。この橋は、時の王妃アンヌ・ドートリッシュ(ハプスブル グ家出身、王ルイ13世の妃でルイ14世の母)にちなんでサンタンヌ(聖アンヌ)橋、あるいは橋が赤かったのでポン・ルージュ(「赤い橋」)と呼ばれてい た。

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15 ものアーチを持つこの木製の橋はあまり頑丈ではなく、修復されては架け直され、焼け落ちたり大水に流されたりして1660年に新たに建設され、1673年 に補強されたものの、数年後に再び大増水で半分以上流されてしまう。当時の女流作家セヴィニエ夫人が1684年2月28、29日のこの洪水について描写し ているように、中世の橋は自然災害には脆く、川の氾濫に耐えうる技術を持たなかった。(その2に続く)