橋が「男性」か「女性」かはよくわからない議論だが、たしかにマリー橋Le Pont Marieを除くと、パリの橋についている人の名前はみな男性だ。この際、フランス語の pont が男性名詞で passerelle が女性名詞というのは関係ない。通りrueは女性名詞、通りの名前そのものは、ほとんどすべて男性の名前だ。

パリ市長がシモーヌ・ド・ボーヴォ ワールと命名したこの橋は、21,000,000ユーロを費やし、2006年7月13日に除幕式が行われた。「人は女に生まれるのではない、女になるの だ」という名言を残した女性作家の名にちなむ、パリで一番新しいこの橋は、その歴史の中では「第二の性」なのだった。

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ところで、パリ市は数年前から車を減らし、人に優しいエコロジカルな街を目指している。そのためかどこへ行っても工事ばかりで住民も戸惑っていたが、この頃、ようやくそんな街の姿が見えるようになってきた。ヴェリブVelib’という、市営の新しい貸し自転車スポット が出現している。広々とした散歩道もだんだん充実し、徒歩で、ローラーで、あるいは自転車で、排気ガスのないきれいな空気の中、セーヌ河畔の散策を楽しめる。

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フランソワ・ミッテラン国立図書館(BNF)など新建築が立ち並ぶ新興住宅地13区のと、その対岸の12区にあるベルシー公園を結ぶ橋の計画はかなり前 から進められていた。1999年3月、パリ市の建築コンクールにみごと選ばれたオーストリア人の建築家ディトマール・ファイヒティンガーは、最新の建築技 術を駆使した、時代を刻印する現代的創造への野心に燃えていた。常に革新的なモニュメントを受け入れてきたパリらしい橋を作ろうと思ったのだ。(その3に続く)

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