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セーヌ川のこの地域はとくに川幅が広くなる。だが、「川に障害物をおきたくなかった」ファイヒティンガーは「パリの橋がほとんどそうであるよう に」アーチ橋を望むが、構想に際し彼が描いたのは「あまり筋肉を見せない」曲線的な橋だった。全長304メートル、幅12mの新歩道橋は、アーチ橋と吊り 橋との組み合わせだ。水面上およそ200メートルに渡って1本の柱もなく、大きく緩やかにうねった優雅な姿を見せている。女性的な橋と言われるゆえんであ る。

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さらに、身障者もアクセス可能なようにエレベーターつきで、左右上下二つづつ合計4つの出入り口、中央に目の形をした空間がある。この交錯部分は ランティーユ lentille(凸レンズの意)と呼ばれている。ランティーユは650トンもの鋼鉄でできているが、アルザス地方の工場で製作、水路でパリに到着し、水 上交通を妨げないように2時間で組み立てられ、2006年1月29日、午前3時に完成したという。(その4に続く)